昔は、ミュージシャンには規定のギャランティというのがあって、ランキングというのもあった
アレンジャーにもある。
某筆頭ベテランアレンジャーは1曲歌物で、最高ランクで10万円だった
けれど、その人が最高ランクなので
それを基準に、それ以外のアレンジャーのランクは決められる感じに、なんとなく暗黙のうちになっていた
だから、ある年数現役でコンスタントに仕事をしていて、ある年齢になってギャランティのランキングをあげたくても、筆頭ベテランがランクを上げないので、それより下のアレンジャーが、ランクアップをできない事が続いていた
スタジオミュージシャンは、もっとシビアで、その人のランクはイコール1時間いくら〜という業界内での規定のギャランティが設定されていて、値引きやダンピングする事は、ミュージシャン全体の価値を下げることになるから、絶対的に守られていた
それが、いつからか
価格破壊が始まった
音楽家たちが自分達で作り上げた感じの、自分達のための規定のギャランティなんてのは、無くなってしまった
仕事くれる人からの、言い値でやる事が今は殆どかもしれない
それくらいに、音楽の仕事は減り
ミュージシャン側の権利は崩れ
ギャランティは、規定でなくてもやります〜という風潮になってしまった
アレンジャーもおなじだと思う
今までの自分が確保してきたランキングのギャランティでなくても
どんなに安いギャラでも引き受けなければ、仕事は他の人のところに行ってしまう
今までの半分以下の設定だと言われても、断ったらゼロ円だからね
何が言いたいかというと…
あの人の仕事は、こんな安い金額で引き受けてるのならば、じゃうちの仕事もそれくらいで良いんですね?となってしまう事だ
そうなって来ると、まともな規定のギャラを払ってる人達が馬鹿を見ることになる
ミュージシャンの首を絞めてるのは、ミュージシャン自身なんだよとよく言われた
実際、私自身も同じ事をしている
ただし、その代わり〜という暗黙のギブアンドテイクがその裏にはある
ここで、安い仕事をお願いしてるので、その代わり、何かの時には特別扱いしますね〜とかね
その代わり、次の仕事の時には沢山ギャラをお支払いしますよ〜とかね
それが、世間一般の裏取引かもしれない
けれど、その代わり〜が無いまま、ミュージシャンを超安価で使いまわしてる人達が沢山いる
そして、それでも良いから引き受けるミュージシャンもいる
それくらいに、世の中は音楽に対して、音楽家に対しての需要と供給のバランスが崩れてしまっている
自分を安売りする事は、私は基本的に反対だし、そんな酷い内容の仕事を、私に声かける人もいないしね
そして、それらは若い人たちに回ってゆくのだらう
それでも、メリットがあると思えば、どんなに安くても引き受けるミュージシャンは沢山いる
そこには、音楽的に共鳴してるから〜とか、プライベートで親しい友達だから〜とか、何にもしてないよりも名前を出して欲しいから〜とか、理由は色々だと思う
その代わり〜が無いままのことの方が多いんだらうね
私?
私は、そんな事はしないですし、引き受けないよ
折角、作り上げてきた自分の位置を、自らが堕とす事は無いですからね
周りから見た印象〜というのも、次の仕事への印象に繋がるしね
こんな仕事してるの?と思われたら
ずっとそのランキングで扱われる事に成りかねないからね
しかし、こんな世の中
背に腹は変えられないんだらうから
ま、程度問題かもしれない
要は、平気でそんな安価な、またはタダの仕事振る方側に問題があると思う
その代わり〜がない人達は、ずっとそもまま甘えて来るだろう
ってか、そういう輩は、その代わり〜を既に確保できてない人が多い
だから、借りを返す事は永遠にない感じの人ばかりだ(笑)
そして、周りも
あ、この人はこのランクで良いんだ〜と思うと、そういう仕事しか来なくなるしね
自分の価値は
自分でキープするしか無いのだ
いくら困った世の中の状況だとしてもね
よく見ていると、ちゃんとしたミュージシャン達は、自分を安売りしない
だから、いつもここぞ!いう時には、その人達に声がかかる
印象というのは、そういう事なんだよね
自分のイメージは自分で作っていかなくてはいけない時代なのです
P.S.
ま、一般の人から見れば
「最近忙しそうですねぇ〜」なんて思われることの方が、大事だと思ってるミュージシャンもいるんだろうしね(笑)
(ギャラは普通の、1/10以下なんだけどさ)
と心の中では叫んでるんだろう(笑)
そして、それらのバンドマンを良いように利用して得してんのは、そんな悪徳な野郎ばかりなんだよね
んとに、最低です
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